例会

作者モリエールはフランス古典喜劇の創立者として世界 演劇史に名声を刻んでいる。
50 年代半ば俳優座に入団した ばかりの仲代達矢はこの舞台に出演した。主役は師匠とも いえる千田是也が演じた。その演技を見ながら成長した仲 代は、生涯に一度は演じたいと胸に秘めてきたのだった

※◎は12:30開演

福岡県立ももち文化センター 〒814-0006　福岡県福岡市早良区百道二丁目３番１５号 TEL:(092)851-4511 FAX(092)851-4545 https://www.momochi-palace.net/

構成･演出＝加来英治
出演＝栗原小巻
ピアノ＝城所　潔

栗原小巻がはじめてピアフを演じたのは１９８６年。
九州をはじめ全国各地の鑑賞団体で数多く上演を重ねてきた。
今回はピアフの歌への情熱と、栗原小巻の演劇への情熱を重ねあわせた新しい上演台本をもとに、愛と哀しみに彩られた『バラ色の人生』がピアフの挽歌として上演される。

作＝斎藤　憐　
演出＝丹野郁弓　
出演者＝中地美佐子、塩田泰久、岡本健一、神保有輝美

物語は敗戦の年１９４５年のクリスマスから、アメリカではマッカーシー旋風の赤狩りが吹きはじめ、日本では朝鮮戦争の特需景気に沸いた敗戦直後の歴史を背景に、伯爵五条家を舞台にさまざまなエピソードが感動と笑いを交えてダイナミックに展開される。
28年ぶりに待望の再演。

原作＝原田マハ　脚本＝高橋正圀
演出＝藤井ごう
出演＝吉村　直、藤井美恵子、清原達之、藤木久美子

キネマの神様がどこかにいるはずだと信じる主人公の映画館復興に向き合う真摯な姿は、新劇運動に献身する劇団や全国の鑑賞運動とオーバーラップする。
さらに青年劇場のベテランから若手を交えたアンサンブルが演劇的な厚味をかもし、スピード感溢れる劇構造をいっそう盛り上げる。

作＝ダニエル・キイス　
演出＝菊池　准　
出演＝町屋圭祐、宮本　充、佐藤しのぶ、金子由之

演劇は時代を写す鏡と言う。
１９９０年に昴がこの作品を上演した時の劇評にも「知能の発達は人類に何をもたらし、何を失わせたのか、科学の発達は人間を幸福にするか」
と問いかけているが、核やＡＩが無限に発達し地球温暖化が極限にある今こそ、この舞台の上演意義は絶大である

作＝鶴屋南北
出演＝藤川矢之輔、河原崎國太郎、嵐芳三郎、ほか総出演

鶴屋南北の『東海道四谷怪談』は民谷伊右衛門の悪事やお岩の幽霊など知らぬ者はないほど有名だが、舞台掛りがあまりにも重厚なため地方公演は絶望的だった。
前進座では創立85周年記念公演を国立劇場で上演したのを契機に、今回はじめて地方公演を決断し例会に迎えることができる。

作＝Ｗ･シェイクスピア　訳＝佐藤史郎
演出＝Ｖ･ベリャコーヴィッチ
出演者＝豊泉由樹緒、能登　剛、南保大樹、奥山美代子

反乱軍との戦いに勝利したマクベスは意気高く国王ダンカンのもとへはせ参じる途中、三人の魔女たちに出会う―に始まる『マクベス』は、シェイクスピア四大悲劇の一つ としてあまりに有名だが、今回とくに留意したいのは鬼才ベリャコーヴィッチ最後の演出作品になったことだ。

脚本＝矢代静一　作詞＝藤田敏雄
音楽＝いずみたく　演出＝金澤菜乃英
出演＝横堀悦夫、水野龍司
　　　大塚庸介、吉田　雄

日本における創作ミュージカルの創始者・いずみたく氏の功績は演劇愛好者として永久に忘れてはならないと思う。
アコーディオンを肩に「うたごえ運動」の先頭に立ちながら数多くの名舞台を創り出した。
その出発点ともいえる名作を劇団とともに再創造するのが今回の例会意図といえる。